秘書時代の私 今の私 そのマナー

EVERGREEN

2011年01月17日 11:05


マナーについてお尋ね頂くことがありましたので、ご参考になるかは分かりませんが私とマナーとの関わりについて、少し書かせて頂きたいと思います。
・・・講座時には、講座内容のご質問に答えさせて頂くのが精一杯で、ご質問への答えをこの様な形にさせて頂き申し訳ありません。不器用な私・・・

私は、社会人として最初に就いた職業が”随行秘書”というものでした。
随行と付いている通り、全てが出張という職務スタイルでした。長期にわたるホテル暮らしと移動の繰り返しのリズムでしたが、とても好きな仕事でした。
ボスは、多忙を極める世界的なご活躍をされていらっしゃった医師で、私は日々背伸びしながら付いて行きました・・・

その様な中、随行秘書としてのお仕事は、出張先でお会いする方々とのお打ち合わせ、講演会でのアシスタント・・・と、外交的・実践的な要素が多かったと思います。
また、お会いする方々との中で得て、学ばせて頂いた経験やマナーは貴重です。

基本的な接遇マナーは、現在存在するのか分からないのですが代官山にあった日本航空が母体のキャビンアテンダント養成スクールで学ばせて頂きました。接遇マナーに関する修了証書を頂きましたが、何事もやはりその後の実践が大切だと痛感しています。
その他に、メイクや発声の仕方、立ち振る舞いなどのお作法などはそれぞれの先生に付いて頂きました。
・・・それなのに、未だカミカミで滑舌が悪いのはどういうことなのでしょうか・・・

その中でも若い時分楽しかったのは、メイクのレッスンでした。
メイクの先生は、当時参宮橋でオフィスを構えていらっしゃいました。
先生はヘア・メイクアップアーチストとして、今は亡き夏目雅子さんなどの女優さんをご担当されていらした方で、メイク技術・髪やお肌のケアの他にも女性として年齢を重ねることへの楽しさ、美しさに関して沢山のことを教えて頂きました。

私がマナーについて大切に思うことは2つあります。
ベーシックな学ぶべきものはありますが、真髄は”お相手への思いやり”だと思っています。
まずよく聞くこと。
そして、例えば難しいことを難しく言うのではなく、それをお伝えするお相手に受け容れ易くする”自分側の伝達変換スイッチ”をより多く持っているか、だと思います。

そして”すぐに気持ちをお届けする”ということ。
マナーに限らず、想いはフレッシュなうちにお届け!したいなと常々思う私。
メイクや言葉遣いもTPOを考えることは、もちろん大切。
そのためには、経験や学ぶこと、様々なことに興味を持ってチャレンジすること、五感を使った周囲への観察(気配り)も必要かと思います。

マナーと言うと、フォークやナイフの持ち方、パーティーでの立ち振る舞いなどを最初に思い浮かべることも多いかと思います。
でも、マナーは特別なことではなく日頃がすべて、どこでもマナーを思い、考え、活かせる場所になるのではないでしょうか。
ハレの日のためのマナーを気に掛けることも大切ですが、今ある毎日・くらしの中で培えるマナーを心掛けられれば、感じが良くまた逢いたいと思われる素敵な人になれるのではないかしら?と思い、私も日々学びながら過ごしています。

という私は、マナーも随行秘書時代のものとは異なり、暮らしの中で関わらせて頂く方々との「気持ち良い関係」を築けることが第一です。
ですから、子供を追い掛けて走り回っている私もいますし、いつでも優雅でエレガントに、正しく王道でとは日々いかないこともあります。
ただ、今まで関わった方々からの教えや社会人として得たマナーは、これからも私の中で生き続けていくと思いますので、自身の財産として大切にしていきたいと思っています。

共通意識の中にあるマナーと、個人的な観点で行うマナー。
マナーって考えてみれば、他者との関わりの中では基本的なことですが、その人の持つ美意識がよく表れるものなのかしら、と思います。

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